成功の反対

母のカテーテル治療。
今回で３回目の施術です。
成功の反対。
でも失敗という訳じゃなく…

「治療出来なかった」らしいです。


あんまり面白い話じゃありません；
忘れたくないから書いておきたいと思います。
それでもOKな方、【続きを読む】からどうぞ。

家族の病気で悩んだことのある方、
現在進行形で悩んだり介護されている方、
アドバイスくださる方、
大歓迎ですのでよろしくお願いします！

今回の治療の予定は
脚の付け根からカテーテル(管)を挿入して、
肝臓の腫瘍(癌)に栄養を送っている血管を薬(抗ガン剤？)で塞栓する。
というものでした。

その際、造影剤を入れてＣＴを撮り、
血管と腫瘍の場所を３次元で確認してから確実にピンポイントで行うと。

塞栓することによって、癌に栄養がいかないようにして壊死させる。
前回、前々回はエコー(２次元)で確認しながらの治療だったんで、
見逃しがあったり塞栓や焼却が有効でなかったりした箇所もあったようです。

だから今回は確実に治療してもらえると信じきっていたし、
先生も自信がありそうな、そんな感じでした。

４～５時間かかるだろうと言われていたのに、
手術室から３時間で帰って来た時は
「良かった♪無事早く終わって」なんて思いましたが。

その後の先生のお話で。
「今日は治療が出来ていない」と…。

癌の周りの血管が、癌に繋がっていると確認出来ない。
薬を流すと変な方向に向かって血管が繋がっている。
そちらへ薬が流れてしまうと、
胆嚢や腸に悪影響があり合併症を引き起こす。
癌の周りに強引に薬を入れてしまえば、癌は死ぬ。
ただ、肝臓も死んでしまう(機能しなくなる)…と。

簡単な言葉で書くとこんな感じだったと思います。 


でも、確実に癌は存在します。少なくとも２つ。

ではどうするか。
いろんな案がありました。

①手術で肝臓半分を切り取ってしまう方法。
でも残った半分で充分な機能は期待出来ない。

②ラジオ派で焼く方法。
１つがあばら骨の下に隠れて見えにくいので失敗の可能性も。
もう１つも焼いてしまえば周りの細胞までもが死んでしまう危険性あり。

③開腹して１つはくり抜き１つは焼却。
術後の体力回復面で不安は残るものの、今時点では第１候補？

④生体肝移植。
今の症状では保険が利かない。
健康な人(例えば私)にメスを入れなければいけない、
ということからもお勧めはしない、と。

⑤何もせず様子をみる。
もっと癌が大きくなって治療しやすくなるまで待つ。
その場合、転移しているかも知れないというリスク。
もしくは最期の時まで治療はしない。


先生の経験上のお話ですが。
何度も治療や手術を繰り返してきた人が亡くなった時、
改めてカルテを見直して考えるそうです。
本当にこれが最善策だったのか、
治療をしない方が多少なりとも長生きできたんじゃないか？と。

入院して手術して、痛い思いや苦しい思いをしてでも
治って元気になれる日を信じて頑張るのか。
それとも家でこれからの時間を自由に使って余生を過ごすのか。

皆さんが患者の家族だったらどちらを選びますか？

母はまだ63歳です。
治療の末、癌がなくなって元気になれるんじゃないか…
そんな希望も捨て切れません。

でも、これから先、死ぬまで入院と治療を繰り返すとしたら。
それが幸せなのかどうか、わかりません。

もちろん先生は「元気になろう！」という方向で、
次の治療方針を考えてくださっています。
でも、忘れられないんです。
何もしなかった方が、長生きしたんじゃないか？っていう言葉が。

もし、選べって言われたらどうしよう。私には決断できません。


昨年末、母は心の病気で身体のほとんどが動かなくなり
一時寝たきりになっていました。
起き上がれず、立てず歩けず、話すことも飲み込むことも出来ませんでした。

そんな母を看ているからこそ。
これから先どんな風に弱っていくのか、怖くて仕方ありません。

先生を信じるしかないですよね？
どうか有効な治療方法がありますように。成功、しますように。